2023.04.07
令和5年度1学期始業式 “パラダイム・シフト:Paradigm Shift”
みなさん、おはようございます。今日から令和5年度を始業します。
昨日は新入生を迎える入学式を行いました。今年は近畿大学工学部長の荻原先生とPTA会長、役員の方々、そして保護者のみなさんにお越しいただき、工学部の体育館で中学生140名(4クラス)、高校生285名(7クラス)を迎えて挙行しました。在校生の代表として、高・中の生徒会長二人が新入生を歓迎の言葉で迎え、そして新入生からも高校・中学それぞれの代表2名が協力して新入生の宣誓をしてくれました。今年度は、中学(433名)高校(747名)あわせて1180名で新学期をスタートします。
昨日の入学式の中で私は新入生のみなさんに、KPIとKGIについてお話ししました。KPI(Key Performance Indicator)とは「重要業績評価指標」のことで、企業や会社が目標を達成するための指標です。KGIとはKey Goal Indicator「重要目標達成指標」のことで、最終的な目標を定めることです。KPIとKGIを合わせると要は「しっかりと目標を定め、それをいつまでに、どのように達成するか」を決めるということになります。
在校生のみなさんも、年度の始めに際して、このKPIとKGIを設定してほしいと思います。高3生はもう大学受験まで待ったなしの1年なのでKGIは定まっていると思いますが、中2・3年生や高2生も卒業までのサイクルとしてKPI(プロセス)とKGI(ゴール)を設定してください。(具体例)
さて今年度も私はみなさんと一緒に、多様な考え方や変革の激しい世界情勢、SDGsなど様々な課題を考えていくようにしていきたいと思います。今日は年度始めとして「パラダイム・シフト」について取り上げます。パラダイム・シフトとは、Paradigm つまり「模範・典型」がShift「移り変わる」ということです。かみ砕いて言うと「今まで当然だと思っていたことが劇的に変化し、新しい価値観や考え方が進んでいくこと」です。
このパラダイム・シフトが起こる要因としては、例えば地震や台風などの災害で環境が一変したり、ウクライナの例で言うと戦争が始まり生活ががらりと変わる、などのようなことが考えられます。でもみなさんにとって身近で一番分かりやすいのは、コロナ禍でのリモート授業でしょう。それまでは学校の授業といえば、通学して教室で受けるのが当たり前だったのが、コロナによる緊急事態宣言で自宅学習となり、オンラインで授業が行われました。社会に目を向けても、わざわざ長い時間満員電車で通勤せずに、リモートによる在宅勤務が定着している会社や企業は多くあります。
その変化によって、生活そのものが革命的に変わり、世界中どこにいても自分の好きな仕事ができるようになりました。その一方で人間関係が希薄になり、人と対面で話すのが苦手になったり、逆に他人の状況を考えずに自己主張してしまうことで問題も起こっています。このパラダイム・シフトは新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックという強い要因により起こりましたが、実はみなさんの身近なところでも、同じようなことがあるのです。
特に新入生にとっては今がまさにパラダイム・シフト!これまで小学校や中学校で当たり前だと思っていたこと、当然のように出来ていたことが、かなり劇的に覆ります。在校生のみなさんも、クラス替えがあり新しい友だちや先生、教科に出会います。今、緊張している人も多いのではありませんか。
そんな時に「自分は変わらないんだ!」と自己主張だけを押し通すと周りとトラブルが起こったり、また自分を周りに合わせ過ぎようとすると、何だかしんどくなってきます。難しいですね。でも自分の中でこのパラダイム・シフトが起こっている時というのは、実は自分を見つめ直して新たなことにチャレンジする大きなチャンスでもあるのです。
またピンチはチャンスの始まりです。もし何か困ったとこがあれば、その原因や理由を冷静に分析して改善策を考えましょう。何事も前向きに考えることがコツだと思います。ちょっと極端で軽い例ですが、神社へ行くとおみくじを引きますね。もし「大凶」だったとしても、私は「今が最悪でこれから良くなっていくとはラッキーだ!」と思うことにしています。もちろん「大吉」ならば「この良い状況がずっと続きますように!」と考えます。それとおみくじの中には色々とアドバイスが書かれています。学業とか病気、方角、結婚、引っ越しなどなど。ここでも私は、そのアドバイスをどう工夫すれば自分にとってプラスになるかを考えます。
もう1つ例を挙げると、先日のWBCでは侍ジャパンが劇的な優勝を成し遂げました。私たちも普段は「広島ならカープ・ファンだ!」とか「吉田のいないオリックスなんて!」「やっぱ巨人vs阪神?」などと言い合っていますが、WBCの準決勝でヤクルトの村上選手がそれまでの不調を覆してサヨナラ打を打った時はみんなで飛び上がって喜び合いましたし、決勝戦最終回で大谷選手が三振を取った瞬間の感動は忘れられません。各選手はWBCというパラダイム・シフトを自ら乗り越えて活躍してくれました。みなさんも、この新年度に際して、ぜひポジティブ思考で物事に対応し、新しい自分を見つけてください!
今日はKPI&KGIと「パラダイム・シフト」についてお話ししました。お知らせが2つあります。1つ目は1号館のトイレがリニューアルオープンしました!先日生徒会長さんらと開通式を行いましたが、とてもきれいで快適なトイレです。大切に使ってくださいね。(2号館のトイレ工事は夏の予定です。また少し不自由をかけますが、我慢してください。)もう一つは、今年度も校長室のOpen Dayは継続します。ただ今年は曜日を少し変更します。月曜日と水曜日のお昼休みに空けていますので、何か相談があれば来てください。よろしくお願いします!
さあ、生徒のみなさん、これから新年度、令和5年度が始まります。何事に対しても知的好奇心を持ち、多様な考え方に耳を傾けてください。みなさん一人ひとりが持つ輝く個性を、もっと高めてほしいという願いを込め、この言葉もいよいよ5年目に突入です!
Aim for a Higher Level!!!