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校長室

2023.06.01

令和5年度6月全校朝礼 学校長講話 “目標設定(With Aim)と同調圧力(Peer Pressure)”

おはようございます。先日、中国地方も梅雨入りし、また台風も接近しているので、今週は雨の日が続いています。ジメジメと蒸し暑い日も増えてきました。でも今朝は少し肌寒く、温度差でも体調管理が難しいですが、頑張りましょう。来月の1学期終業式は、ちょっと暑いかもしれませんが、中・高別に体育館に集まってもらおうと思っています。

さて5月には中間試験も終わり、今月の行事としては来週に高校クラスマッチと中学球技大会がありますね。期末試験まではまだひと月ほどありますが、みなさん落ち着いた学習習慣が身についていますか? 特に高3生は、これから大学受験に向けていよいよ志望校を決めたり、推薦試験を考えている人はその準備が始まったりと、大変な時期に差し掛かります。ぜひこれからの半年あまりを充実させ、悔いの残らない期間にしてください。2年生以下の生徒のみなさんも先輩たちの背中をよく見て、1年後、2年後の自分をシュミレーションしておきましょう。

高3生と同様に、今、公立中学校に在籍している中学3年生は、高校受験を考え始める時期です。私も先々週から広報部の先生と地元の公立中学校を回って、高校への進路説明会を行っています。(先日は八本松中学校と西条中学校に行きました。今週は松賀中学校、以降高屋中、中央中、向陽中…と続きます。)公立中学校から本校に入学したみなさんは、この時期に色々な学校の説明会を聴き、オープンスクールにも参加して、自分の進路を決めたことを覚えていると思います。

今本校で、中3のみなさんも、ぜひこの時期に自分の将来をしっかりと見つめて、やりたい職業や生活ぶりをイメージし、それを叶えるための大学と学部を考えるようにしてください。大切なのは「目標があれば自分は変わる」ということ。逆に言うと、目標がなければ、やる気も出ません。でも仕事のことはまだ想像がつかないという生徒のみなさんが多いかもしれません。そんな時は、身近にいる方々に聞いてみるのも1つの方法です。先生方やお家の人たちはどのように目標を立てて進路を決め、大学ではどんな勉強をし、今のお仕事を選んでいったのでしょう。

ちょうど今週から、教育実習の先生方が来られています。みなさんの先輩にあたる大学生で、教員や教育関係の仕事を目指して勉強している方々です。授業やHRでお世話になることもあると思います。今一番身近にいる先輩たちに、「目標」についていろいろ尋ねてみる絶好のチャンスではないでしょうか。因みに英語で「目標」は?Goal、Target、Objectiveなどもありますが、本校ではやはり“Aim”ですよね!

私自身は、高校時代に音楽や映画が大好きだったので、将来そういったエンタメ産業に携わりたいとぼんやり思っていました。でもどうしていいか分からず、祖父も父も商売をしていたので、その仕事を継ぐべきかなぁ、とも考えていました。結局大学は、本当は文学部に行きたかったのですが社会学部系を受験し、経済学部にも合格しましたが数学が苦手だという理由で、法学部に入学して経営法学を学びました(著作権法、商標法などが専門です)。

でも何となく入学した法学部が楽しいわけがありません。そんな中、法学部からも英語科の教職課程が履修できることが分かり、好きだった英語や言語文化を勉強してみると、これが楽しい!昼間に法学部の講義を受けてから、夜間の授業(二部)で教職課程の英語を勉強するのはなかなか大変でしたが、楽しかったので続けられたと思います。教職で出会った友人にも恵まれました。

更に教育実習に行き「こんなにしんどい仕事なのに、なんてやりがいがあるんだ!」と思いました。私は元々、教員という職業にも憧れがあったのですが、自分のような人間がなれるわけない、と勝手に諦めていたのです。でも教育実習の経験が私の人生を変えてくれました。どんな苦労をしても教員になろうと決心することが出来たのです。そう、「目標が自分を変えてくれた」のです。

私の場合はこの「目標を定める」時期が、就職直前のギリギリだったので(長くなるので今日はお話ししませんが)色々と苦労の末、教員になることができました。教員になってからも大変でした。ですから、みなさんには少しでも早いタイミングで、この目標を定めてもらいたいと考え、今日こうしてお話をしたわけです。あれから40年経った今では、本当にこの職業に就いて良かったと思っています。

もう1つ、日本人の「同調圧力(Peer Pressure)」について取り上げます。この同調圧力というのは、自分の意思に反して周囲に併せてしまうプレッシャーのことです。1つの例を挙げてみます。先日、私は知り合いの小学校の校長先生とお話しする機会がありました。

その中で、彼は日本でもコロナ禍が落ち着いた今年の3月ごろから、外せる場面では自らマスクを外して先生方や児童のみなさんへのお手本になるようにしたそうです。そうすると2カ月余り経った今では、小学生はもう大半がマスクを外して授業を受けており、特にパンデミックも起らなかったとのことでした。

まずこの話を聞いて私は、小学生が何て純粋なのだろうと感動しました。児童たちが先生方の様子を見て、素直に従おうとする姿が目に浮かびます。これはみなさんが純粋ではないとか素直ではないということではなく、小学生のまっすぐな気持ちと行動に感銘を受けたということです。みなさんは中学生になり、高校生へと成長する段階で、自分で判断する社会的基準や価値観も身に付いてきます。

もう1人、本校英語科のChad Phillips先生は、この春休みに娘さんを連れて里帰りした時の様子を「イギリスでは誰もマスクをしていなかったよ。Nobody!」と話してくれました。ニュースなどで欧米の様子を見ても、確かにそうですね。どの国でもみんなマスクを外しています。一方日本ではどうでしょうか。

5月になり、感染症法上5類になっても、まだまだみなさんはマスクをしていますね。みんな好んでマスクをしているのでしょうか。いや、鬱陶しいけどみんながしているから私もしておこう、という人が多いのではないですか。これこそ「同調圧力」だと思います。コロナ禍で3年もマスクしているから素顔を見せるのは恥ずかしいのでは?などとも言われますが、自分の素顔を恥ずかしいと考えること自体がおかしいと思います。私は個性を重んじる教育がしたいし、みなさんには今こそ率先してマスクを外す勇気を持ってほしいと思います。

もちろん、正当な理由があって、例えば体調が悪かったり花粉症などで必要な場合、満員電車など密になる時などは良いのですが、日本人特有の悪い意味での横並び精神:「同調圧力」からするものではありません。でもそんな中でも少しずつマスクを外す人は増えていますし、これから夏に向けて猛暑の季節を迎えます。ぜひみなさんには自分で適切な判断をしてほしいと思います。熱中症も心配ですし、暑くて息苦しい時にしんどい思いをしてまで周囲に屈することはありません。勇気を持ってマスクを外しましょうね。

今日の2つのお話しから私がみなさんに伝えたいのは、「目標を持つ」ことと「同調圧力に負けない勇気」でした。さあ、みなさん、これからのじめじめとした梅雨の蒸し暑さを乗り越えると、夏休みがやって来ます。どんな計画を立てて充実した期間に出来るか、今から考えておいてください。それは短期の目標となり、きっとみなさんにやる気と勇気を与えてくれるでしょう!
Aim for a Higher Level!!

投稿者 : devadmin

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