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2024.04.11

令和6年度1学期 始業式 学校長講話 “Singular Point”

今日から令和6年度を始業します。先週4月4には新入生を迎えて入学式を行いました。近畿大学工学部長の荻原先生とPTA会長、役員の方々、そして保護者のみなさんにお越しいただき、中学生126名(4クラス)、高校生229名(6クラス)を迎えて挙行しました。今年度は、中学416名と高校746名、あわせて1,162名で新学期をスタートします。

新入生のみなさんには、ぜひ本校に入学して近大ファミリーとしての誇りを持ってもらいたいと思います。先日も校長室に卒業生が尋ねて来てくれました。それも35年前、本校が創設される前に私が勤めていた近大附属福山校の卒業生でした。仕事で広島市内に来た帰りに立ち寄ってくれたのですが、35年ぶりの再会なのに、まるでつい数年前のことのようにお話が出来てとても楽しい時間を過ごしました。

その話の中で彼が言うには、「自分は近大附属を卒業して本当に良かった。社会に出てから実感したことですが、新卒で不安だった時も、仕事が行き詰ってしんどかった時も、いつも身近に近大のOBがいて、助けてくれたりアドバイスをくれたおかげで、今の自分があるんです」とのこと。本校だけでも5千人を超える卒業生がいますし、大学も含めると日本国内だけでなく世界中に何十万人もの近大の校友がいます。みなさんが本校に在籍する3年、6年の間だけではなく、生涯に渡ってみなさんを応援してくれます。ぜひ本校生であることにプライドを持ってください。

さて今年度も私はみなさんと一緒に、多様な考え方や変革の激しい世界情勢、SDGsなど様々な社会問題について考えていくようにしていきたいと思います。今日は年度始めとして「シンギュラー・ポイント」についてお話します。

一般的には「テクニカル・シンギュラリティ(技術的特異点)」とも呼ばれており、AIつまり人工知能が加速度的に発達して人間の知能を超え、2045年には私たち人間の生活が想像を絶する程の大きな変革が起こる、そのターニング・ポイントを表す言葉です。もしかしたら、SF映画(ターミネーターやマトリックス)のようにAIやロボットが人類を支配してしまうかもしれませんね。

そのシンギュラリティによって、私たちの生活そのものが革命的に変わると予想されています。例えばよく言われていることは、今ある職業の半分はAIに取って代わるので無くなってしまう、などです。そういった変化はAIと人類の知性が同等になる2030年ごろから加速度的に高まると予測されています。え!たった6年後に私たちはAIと同じ知性になるというのでしょうか。中1の新入生のみなさんが本校を卒業する年です。高3のみなさんは社会人として活躍のスタートを切ったばかりの頃です。のんびりと構えている余裕はありません!

そんな悲観的予測やシンギュラリティ問題については、ネットやYouTubeで様々な解説や議論が行われているので、ぜひ興味を持って調べ、自分なりの考えや意見をしっかりと持ってください。でも今日は、ちょっと違った視点でこのシンギュラー・ポイントをお話します。それは生徒のみなさん「一人ひとりの特異点」についてです。みなさんには、それまでの自分の価値観がガラッと変わるほどの体験をしたことがありますか?

私は今までに何度かそういった経験していますが、特に印象に残っているのが、20代後半でアメリカへ旅行した際にグランド・キャニオンからのぼる朝日を見た時です。何世紀にも渡って作られ何層にも渡るそびえ立つ地層の断面が、朝日に照らされて様々な色彩に変化していく雄大な景色を目の当たりにした瞬間、私の中で何かが変わりました。

上手く説明できないのですが、ただ凄い景色を見ただけなのに、涙が自然とあふれ出て、こんなにも感動して、前向きな気持ちになれるんだと感じました。それまで小さなことにくよくよ悩んでいた自分がバカらしくなり、気持ちがすうっと軽くなったのを覚えています。それ以降、何事に対してもポジティブ思考で考えられるようになり、私の周りで物事が上手く回り始めました。これぞセルフ・シンギュラリティの瞬間だと思っています。

生徒のみなさんもこのような自分の中で何かが大きく動く瞬間を大切にし、そこから自分の考え方や行動を見直してみてはどうでしょうか。そんなに大きなキッカケじゃなくてもいいと思います。例えば、今日から新しいクラスになって大きく環境が変わったという人もいるでしょう。もちろん、新入生のみなさんはチャンスです!何かを境にして自分を良い方向に変化させる、セルフ・シンギュラー・ポイントをぜひ作ってください。

また今月末には近校祭(体育祭)も予定されています。横の繋がりだけでなく、学年を超えた先輩・後輩の繋がりも大切にした、一体感のある行事にしていきましょう。生徒のみなさんが楽しんでもらえるように、昨年度から生徒会執行部が色々とアイディアを出してくれています。素敵なポスターも出来上がりました。昨年同様、保護者のみなさんにはお越し頂けませんが、動画配信などで様子を見てもらえるように考えています。短い準備期間にはなりますが、充実した楽しい思い出作りをしてほしいと思います!

また今年度も、校長室Openの日を月曜と水曜にしましたので、何か相談があれば、お昼休みの時間に遠慮なく覗いてください。

今日はAIが人類を上回るとされる2045年問題、シンギュラー・ポイントについてお話しました。生徒のみなさん、これから新年度(令和6年度)が始まります。何事に対しても知的好奇心を持ち、多様な考え方に耳を傾けてください。みなさん一人ひとりが持つ輝く個性を、もっと高めてほしいという願いを込め、この言葉も6年目に突入です!


投稿者 : devadmin

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