2021.01.30

令和2年度3学期 全校朝礼　校長講話

みなさん、おはようございます。今日は高校3年生が在校生の皆さんと一緒に登校する最後の日になります。もちろん、明日からも共通テスト後の国公立二次対策や近大の入学前講座などで登校する高3生は多いと思いますが、中学生も含めて全体で一緒に集まる機会はもうありません。今日は、そんな高3生に向けたお話をしたいと思います。

ちょうど1年前、この1月末の全校朝礼で私がみなさんに何をお話ししたか覚えていますか。当時はまだコロナ禍ではなかったので全員体育館に入ってもらい、私もスライドを使ってお話ししていました。ギリシャ神話の牧神パンがいきなり出てきたら驚いてパニックになるという、英語“Panic”の語源を説明しましたね。

そして高３生に向けて、「センター試験（当時）を受験し自己採点のリサーチをして、パニックになりませんでしたか。人間は誰でも不安な時や悩んでいる時に、予期せぬことが起こると、大きく取り乱してしまいます。しかしそんな時こそ冷静に落ち着いて、周囲を見まわし、いつもの自分に戻ることが大切です。Don’t Panic! そしてCompose Yourself! （落ち着きましょう！）「平常心」が何より大切です。」というメッセージを送りました。

今日はそれに加えてもう一つ、みなさんの心に留めておいてほしい言葉があるので紹介します。それは“Self-reliance”です。直訳すると「独立独歩」つまり「自立」することです。同じような意味の単語に“Independence”があります。これも「独立」とか「自活」という意味です。みなさんにはこちらの方がなじみがあるかもしれません。

日本語にすると同じ意味のこの2つの単語ですが、実は綴りをよく見ると違いが見えてきます。これから担任の先生にその単語２つを板書してもらいますので、じっくり見てください。中学生には少し難しいかもしれませんが、英検準2級以上を狙う人は知っておくべき単語です。せっかくですから今日、覚えちゃいましょう！

どうですか？違いが見えてきましたか？みなさんの知っているIndependenceは、depend（頼る）の名詞形dependenceに否定の接頭語inが付いています。つまり「他人に頼らない」というところから「独立」という意味になります。一方Self-relianceは、同じく「頼る」という意味のrelyの名詞形relianceに、self-（自分を）という接頭語が付きます。そうです「自分を頼りにする」という意味での「自立」なのです。

今日私が高校3年生のみなさんに贈りたい言葉はこのSelf-relianceです。これからまだ辛い受験勉強や親元を離れての大学生活、延いては社会人になっていくみなさんには、自分を信頼するという意味での独立心を持ってもらいたいと思います。他人を頼らずに生きていくというIndependenceという言葉も悪くはないのですが、いきなり一人で何でもできる人などそうはいません。

ですが、自分を信じながらも他人の助けを得ながら生きていくんだ、と考えれば少し肩の力が抜けて「パニック」にもならず「平常心」を保って頑張ることが出来る、という気がしませんか。私がみなさんに贈りたいSelf-relianceという言葉には、そんな想いが込められているのです。「大丈夫、自分には出来るんだ」という精神です！

でも大切なことは、どうすれば「自分を信じることが出来るのか」ということです。自分を信じて行動するにはどうすればいいか。それには自分に嘘をつかず、目標を定めて努力を積み重ねる必要があります。普段から誠実に学習し、きちんと情報取集を行い、他に惑わされないようにしなければ、自分を信頼したり頼りにすることなど出来ません。スポーツに例えるなら、日ごろの基礎トレーニングを積み重ねて筋力、瞬発力や持久力をつけておかなければ、試合の時に自分の思うようなプレーが出来ないのと同じですね。

高3生のみなさんは、あともう少し、辛くても後で自分を信じることが出来るように頑張って受験勉強と大学入試を乗り切ってください。そして大学生や社会人になってもこの自己肯定の自立精神を忘れずに、何か辛いことがあっても乗り越えてほしいと思っています。

今日は少し英語の学習のような話になってしまいましたが、特に高3で受験を控えているみなさんは、ぜひとも覚えておいてください！キーワードはSelf-relianceですよ。

さあ、来週からは２月です。また寒い日も続きます。健康管理をしっかりと行い、規則正しく元気に生活しながら、新型コロナウイルスに負けないよう、在校生は次年度のゼロ学期という意識で取り組んでください。中学生は、来週の学習発表会も頑張りましょうね。

Aim for a Higher Level!