ブログ

校長室

2026.03.03

令和7年度 卒業証書授与式 学校長式辞 贈ることば

今年の冬は雪がたくさん降り、ここ高屋の地でも随分積もりました。しかし三寒四温を繰り返しながら着実に春が足音を立てて近づいてきています。もう春一番も吹き、校庭の梅の木には可憐で品格のある赤い花が咲き、白いつぼみも膨らみ始めました。本日は、近畿大学工学部長:樹野淳也様をはじめご来賓、保護者の皆様のご臨席をいただき、こうして卒業証書授与式が挙行できますことを、心から感謝申し上げるとともに、本校教職員を代表して厚くお礼申し上げます。

改めて、第二十八期卒業生、二百七十名のみなさん、ご卒業、おめでとうございます。今、みなさんに授与した卒業証書には、みなさんが友人たちや先生方と過ごした近校での月日が、凝縮されています。振り返ると、みなさんが高校に入学した頃は、やっとコロナヴィルスの影響から抜け出し、普段の生活を取り戻せた時期でしたね。

しかし国際社会に目を向けると、ロシアとウクライナの戦争は、みなさんが入学する一年前から始まっており未だに解決していません。中米や中東での問題でも、罪のない市民が犠牲になっている状況が報道され、心が痛みます。一刻も早い終息を願わずにはいられません。もしかするとみなさんにとっても、本校でのこの三年間の高校生活は、決していい思い出ばかりではないかもしれません。

でもいつもお話ししているように、私はみなさんに何事もポジティブに考えてほしいと思っています。その一番の見本が今月、イタリアで行われたミラノ・コルティナ・冬季オリンピック大会ではないでしょうか。数々のドラマが生まれた今回の冬季五輪ですが、日本人選手の活躍も日々伝えられ、本当にたくさんの感動と涙を貰うことが出来ました。

そんな中、私が印象に残ったのは、試合や競技が終わった後の選手のみなさんの「笑顔」です。もちろんメダル獲得やその色まで拘って臨んだ選手たちのプレッシャーはもの凄いものだったと思います。ですから失敗したりミスを犯して良い結果が得られなかったときは、本当に落ち込んでしまいます。フィギュア・スケートでの、りくりゅうペアのショートプログラムが良い例です。でも二人は翌日に前を向き、笑顔でフリーの演技を終えました。

前日のミスで落ち込んでいた木原龍一選手を、年下の三浦璃来選手が笑顔で支えたそうですが、みなさんもこれからの人生で失敗したり、行き詰ってしまうこともあるでしょう。でもそれをいつまでも引きずってしまうのではなく、気持ちを切り替え、自ら前を向いて笑顔になり、りくりゅうペアのようにマイナスの経験を逆方向、プラスに活かしてほしいのです。

また今回、日本のメダルラッシュを支えた若いスノーボード選手たちが、滑走後に国やライバルに関係なく、お互いを笑顔で讃えあう姿にも大きな感動を貰いました。彼らは「自分らしさ」を出せたか?という点が大事だとも言います。得点や順位より、失敗を恐れずに自分の個性を表現できたか、ということです。

日本語には「失敗は成功のもと」という諺がありますが、今日、私は卒業生のみなさんに、英語で同じ意味のWe learn from mistakes. という言葉を贈ります。ここで「失敗」という単語にfailure を使わず mistake にしたのは、どんな重い失敗(failure) だとしても、気持ちを切り替えて、ちょっとしたミス(mistake) と考え、その経験から学び、笑顔で前向きに進んでほしいという願いを込めました。これからの人生でも失敗して辛い時こそ、この「I learn from mistakes精神」で乗り切っていきましょう。

そしてみなさんは一人ひとり誰もが素晴らしい個性(individuality)と才能(talent)そして無限の可能性(potential)を持っています。それらをしっかりと発揮してほしい。実はこの言葉は、みなさんが入学したときのお話と同じです。これから大学や社会で活躍するみなさんに再び、贈りたいと思います。私たち教職員も、みなさんと共に過ごせたこの3年間を本当に誇りに思っています。ぜひ卒業してからも、近況を知らせに母校に戻ってきてください!

改めまして保護者の皆様にお祝いとお礼を申し上げます。お子様のご卒業、まことにおめでとうございます。今日の日を迎えられ、お喜びもひとしおでしょう。しかしこの3年間、ご心配やご苦労も多かったこととお察しいたします。そんな中でも本校の教育にお力添えを賜りましたことを、本当に感謝申し上げます。これからは同窓生の保護者、PTAのOBというお立場で、引き続き本校を温かく見守って頂ければ幸いです。

さあ、卒業生のみなさん、今日は新しいステージへの旅立ちの日です。近畿大学の校花「梅の花」は、まだ寒い時期から少しずつ、様々な色合いで自己主張しながら見事に開花していきます。私はそんな梅の花に、みなさんの個性を映し見ています。ぜひともこの梅の花のような高い品格と個性、未来に向かう自信と誇りを持って、校訓にある「人に愛される人、信頼される人、尊敬される人」になってください。みなさんがこれからのグローバル社会で大きく羽ばたいてくれることを祈念して、贈ることばといたします。
Aim for a Higher Level!  

令和八年二月二十八日
近畿大学附属広島高等学校東広島校   
校長 橋本 晃一       

投稿者 : devadmin

|

校長室