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校長室

2021.07.27

令和3年度1学期終業式 Tokyo Olympic Games 2020

みなさん、こんにちは。令和3年度1学期の終業式はLive配信で行います。新型コロナウイルス蔓延防止のためと、気候が夏になり体育館が大変暑いために少しでも快適に終業式を行おうという考えからです。先日は高校生の教室へ向けてLive配信でお話をしましたが、中学生も含めて全校一斉に行うのは初めてのことです。ICTつまりInformation & Communication Technologyを使うと、I=いつも、C=ちょっと、T=トラブル、のICTなので、画像が見えなかったり音声が聞き取りにくいということもあるかと思いますが、まずはやってみよう!の精神で今日は校長室からAll Live配信で行います。

今日は終業式という節目の日なので、今学期を振り返ってみましょう。4月の始業式では「情報リテラシー」についてお話ししました。今も様々な情報を自分の判断で、正確にゲットできていますか?5月は「他人の意見に耳を傾けることの大切さ」でしたね。そうすれば自分のことも相手に伝わります。そして6月は、東京オリンピック・パラリンピック開催の是非ではなくオリパラの本質について考えようというところから「ものごとを様々な角度から考える必要性と中立性」について一緒に考察しました。

さてその東京オリンピックですが、いよいよ始まりましたね。今年の3月からみなさんには色々と考えてもらいました。今日はみなさんから提出してもらった様々な意見をいくつか取り上げてみようと思います。

まず最初に私がみなさんにお願いした、この問題を考える際のポイントを確認しておきましょう。
1つめは、みなさんが普段から取り組んでいるSDGsの観点から考える。

2つめは、昨年度に私が話した8つの項目から関連付けて考えを深める。(1年は免除)
1)Media Literacy(新聞、TVやネットなどへの正しい判断力)
2)Self-Protection(ウイルスから自分を守る)
3)Your Sense of VALUES(個人の価値観を大切にする)
4)Positive vs. Negative(前向きに行こう!)
5)History of KINDAI(近大の歴史について)
6)Avoid Closed spaces, Crowded places and Close-contact settings!(三密を避ける)
7)To Take the Bull by the Horns(困難に立ち向かう)
8)Self-reliance(自分を信じること)

3つめは、誰と話をし、自分の考えがどう変わったのか、または変わらなかったのか、そしてそれはなぜなのかをはっきりさせておく。

3月の終業式にこの課題を中高2、3年生に出しました。そして4月になり新入生のみなさんとも共有しました。すると早速、高校2年6組からリアクションがありました。
どれもとてもよく考察されていて、良い出来栄えですね。流石です!また高校1学年は4月に行った宿泊研修の中のグループワークのテーマとして取り上げてくれました。これを通して新しい仲間づくりが出来たのではないでしょうか。その後も高校3年1組や4組、5組からは自分の考えを文章にまとめた一覧シートを出してもらいました。Chromebookがない中、さすがは高3と思える、しっかりとした意見が多くありました。また高校2年3組はクラスみんなからの工夫溢れるスライドや、中学3年1組からもクラスを代表してアンケートを取り、それをまとめてくれたスライド、そして中学2年生3組からは担任の先生のフォームに答える形で作ったスライドを提出してもらいました。みなさん本当に素晴らしい!

みなさんのコメントを見て感じたことは、大きく分けると開催に賛成と反対に2分していますが、賛成の人は「困難を乗り越えて元気を貰いたい」「頑張っているアスリートを応援したい」「世界の平和・明るい希望」という精神論や気持ちを重んじる意見が多く、一方で反対の人は「コロナ禍では実施不可能」「感染リスクの拡大・人命優先」「不安・不平等」といった現実的な側面にスポットを当てている内容が多く見られました。経済の側面から考えてくれた人も沢山いましたが、これはメリットもデメリットもどちら側からも考えられると思います。
いずれにしても、どの考え方も間違っているわけではなく、SDGsの観点や話し合った内容、昨年度のポイントとの紐づけ、自分なりの考察などがきちんと出来ていれば、どれも素晴らしいと思います。
1つある例を挙げておきましょう。高3生にこんな2人がいます。まず「この1年間、コロナで部活の大会が中止になりとても悔しい思いをしてきました。」というところまでは共通です。しかし1人は「自分はこんなに我慢を続けて、思い出を作る機会を奪われてきた。そんな中でオリンピックを無理やり開催しようとしている人たちを私は許せない!」と言い、またもう1人は「大会に参加できない悲しみを他の選手にたちに味わってほしくない。こんな暗い状況を少しでも明るくするためにもぜひ開催してほしい。」と言います。同じ状況を違った側面から捉えている例です。どちらも正直な気持ちを表していますね。

何度も言いますが、私はみなさんからのこうした様々な意見や考え方、考察を読んで、本当に感動しています。またみなさんがこんなに一生懸命考え、取り組んでくれたことが嬉しくてしょうがない。自分では思いつかなかったような新たな観点や斬新な取り組みもあり、みなさんの本気度が伺えます。

そんな沢山の中から選ぶのは本当に大変でしたが、これから約束の“Principal’s Award”発表します。「校長賞」1つと「特別賞」を3つ、そして努力賞の合計5つ用意しました!


まず大賞の「校長賞」は高校2年小玉悠月さんに贈りたいと思います!12枚のスライドはとても見やすく、またしっかりと自分の考えが表現できていましたね。次に特別賞、一人目は中学3年山崎桜愛さんです。クラスにアンケートを取り、スライドでそのデータを元にとても上手にまとめてくれました!続いて高校2年中村優希 さん。彼女は、オリパラ開催の是非ではなく、独自の観点から独創性豊かなスライドを作ってくれました。「無力な高校生が今できることは“言葉”を発信すること」というコメントが印象的です。特別賞の最後は高校2年道岡 咲翔くんです。内容のある12枚のスライド全てを英語で作成してくれました!“All English Award”です。Congratulations, Sakito!そして中学2年生でしっかりと自分の意見を書いてくれた青木 悠隼くんには努力賞を贈ります! 
みなさん、おめでとうございます!

さあ今回は提出しなかった人も含めて、このテーマに関して少しでも誰かと話し合ったり、それに関するニュースやメディアに関心を持ったりできたとすれば、それは自分を大きく高めることに繋がっていると思います。これからも、疑問に思うことや、少しでも興味がある事柄について詳しく調べ、考えを深め、誰かと意見を交換したり議論するという姿勢を忘れないようにしましょう。

ここで大切なことは、その意見や考えが本当に自分自身のものなのか、という点です。もちろん様々な意見に耳を傾けて自分よがりにならないことは必要ですが、単にメディアやネットや誰かの受け売りになっていないか、十分注意してください。これは特に私自身が自戒しなければ、といつも思っています。

そのためにも日頃から情報を収集し、自分なりに分析する習慣を身に着けておきましょう。TVなどでは「あれ、この間まで逆のことを言ってたのに、今日は違うな?」などということはよくあります。適当に笑いを取りにいくワイドショーやバラエティならともかく、新聞やニュース番組などでもあることです。ましてやネットはまさに玉石混淆。振り回されないことも大事ですね。

さぁ、これから約4週間の長い夏休みが始まります。体調には十分気を付けて、この時期にしかできない体験や学習を大いに行ってください。2学期には昨年度は中止になった文化祭も控えています。高3生のみなさんはいよいよ受験勉強本番ですね。みんなが応援していますよ。自分を信じて一つひとつの課題を乗り越えていきましょう。
8月の始業式では、ひと回りもふた回りも成長したみなさんに会えるのを楽しみにしています。
Take Care and Aim for a Higher Level!!

投稿者 : devadmin

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