2022.05.06
令和4年度 5月全校朝礼 学校長講話 To be Positive and Optimistic
みなさん、おはようございます。今月の全校朝礼は、リモートで行います。5月は新緑のシーズンで気候も良く本当に爽やかな季節なので、みなさんと一緒に直接お話ししたかったのですが、まだコロナの心配もあるので仕方ありません。でも校庭のツツジは見事に花を咲かせて私たちを迎えてくれています。新緑との対比も気持ちの良いこの季節を体感して、学習や部活動などに取り組む力に繋いでいきましょう。先生方も今月からクールビズ・スタイルOKで頑張ります!
さて5月2日月曜日には延期していた近校祭(体育祭)を実施しました。朝、少し肌寒い中、早くから生徒のみなさんが一生懸命、器具やテントの設置などの準備をしてくれたおかげで、スムーズに始めることも出来ました。今年も無観客での実施ということで保護者のみなさんには見ていただけませんでしたが、みんなで協力して達成出来た素晴らしい体育祭になりましたね。改めて、準備をしてくれた生徒会をはじめ団の役員やクラブのみなさんも、有難うございました。本当にお疲れさまでした!
今日は、5月ということで、1年生のみなさんは本校に入学して約1か月が経ちました。だいぶ新しい学校生活に慣れてきましたか。一貫生で本校の中3から高校に進級したみなさんも、場所は同じ校舎でも高校という新しい生活環境に馴染めていますか。また2年生、3年生に進級した人たちも、新しいクラスや授業で上手く取り組めていますか。まだ新しい友だちができない、勉強についていけない、など何だか学校が楽しくないなぁと思っている人はいませんか。
そんな人は「5月病」かもしれませんね。5月病というのは4月にそれまでとは違う新しい環境に入った人が、ひと月ほど経って自分が思っていたのと違う状況に対処しきれず、その環境に不安を感じたり、目標を失って虚脱感を感じてしまう状態のことをいいます。ですから少しはこの「五月病」を経験している人も多いのではないでしょうか。逆に今の生活が楽しい、充実している、と感じている人はこの「五月病」をうまく乗り越えた人なのです。
因みに英語に「5月病」に該当する単語はありません。敢えて訳すと‟May Depression”でしょうが、これを例えばアメリカ人に言っても通じません。そもそも外国は4月から年度がスタートしませんから。アメリカは9月スタート、韓国は3月スタートなど国によって新年度は様々ですし、考え方も国によって違っていて、少々憂鬱になってもそれを病気と見なさない国も南米にあったりと、世界に目を向けるといろいろと違いが見えてきます。多様な考え方を知ることも5月病解消の手掛かりになるかもしれません。興味のある人はググってください。
さて話を戻すと、5月病のように新しい環境に馴染めなかったり、自分の思っていた状況と違うと感じて落ち込むことは、誰しも経験することです。あなただけが特別というわけではないので、安心してください。この5月病をうまく乗り越えるコツは、以前から私がお話ししているように自分を如何にOptimistにするかつまり楽観的に物事を考えられるか、Positiveにつまり肯定的に言動出来るか、にかかっていると私は思います。今は充実して楽しいと感じている人も、今後大学や社会人になったときに5月病を経験するかもしれないので、一緒に考えていきましょう。
また私の体験を一例として挙げてみます。私自身は元々楽観的に考える方なのであまり5月病を意識したことはないのですが、大きく落ち込んだときの話です。今から30年ほど前、私がまだ若かったころ、ものすごく大きな失敗をしてしまいました。当時の校長先生には普段からはよく叱られていたので、今回も大声で怒鳴られると思って身構えながら報告に校長室に行くと、「いや、もういい」と一言だけ。拍子抜けというよりも怒鳴られると思っていた反動で逆に私は大きなショックを受けました。
あのとき校長先生からは、大声で叱ってくれた方がきっとその後、気が楽になっていたと思います。いつものことですから。しかしそうではなかった。𠮟り飛ばしてくれなかったために、私はこの件を逆に決して忘れられません。そして失敗したことをもの凄く反省し、二度とみんなに迷惑をかけずに、こんな嫌な思いをしないように、きちんと準備をして仕事を頑張っていこうと自分に誓いました。
校長先生がいつもと違う対応をしたのが、意図的なものだったかどうかは分かりません。でも私は当時めちゃくちゃ落ち込んで、でもこの件を自分の前向きな礎にできたことで、今の自分があると感じています。ですから今でも私はあの校長先生にもの凄く感謝しているのです。
ここで私がみなさんに言いたいことは、もし私がNegativeつまり否定的に捉えて、Pessimistつまり悲観論者になっていたら、例えば「自分には教員としての才能がないんだ」とか、「こんな失敗をしてどうせ自分なんてダメなやつなんだ」と思い込んでしまっていたら、どうでしょう?私は教員を辞めていたかもしれませんし、みなさんとこうして楽しく色々なお話しすることもできなかったでしょうね。
でも私は(落ち込んで反省もしましたが)この件を前向きに捉え、引き続き頑張っていこうと決めることが出来ました。それでも、あの時のことを思い出すと、今でもまだ胸がギューッと苦しくなり、足がすくむ思いがします。
しかしそれ以降、私は何か困ったり嫌な体験をしたときでも、あの経験に比べると大したことないな、と考えられるようになりました。辛いことをプラス思考で前向きに変えていくことで、何だか生活も楽しくなります。自分が前向きな気持ちでいると、自ずと周りにいる人にもいい影響を与え、またその人も楽しくなるのです。校訓にある人に「愛され、信頼され、尊敬される人」になるためには、まずこちらから人を愛し、信頼し、尊敬することから始めるのと同じかもしれません。
さあ、みなさんも「五月病」に負けないように、Positive思考でOptimistになり自分の明るい未来を切り開いてください。5月には初めての定期試験となる中間試験もあります。自分のペースで準備を行い、計画的に学習を進めてくださいね。またまだまだコロナウイルスへの対策(マスク、手洗い、換気、消毒など)も油断せず行いながら、健康に留意しながら頑張っていきましょう!
Aim for a Higher Level²!!