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校長室

2023.01.06

令和4年度 3学期始業式 “Nothing Ventured, Nothing Gained.”

明けまして、おめでとうございます。
今日から令和4年度3学期を始業します。そして令和5年を迎えるにあたり、新年のご挨拶をいたします。長い冬休みが終わり、3学期が始まりました。まだまだコロナウィルスの状況が落かない中ですが、世の中はウイズコロナで徐々に以前の日常を取り戻してきています。みなさんの年末、年始の生活はいかがでしたか。

今日は3学期始めの日です。前向きな気持ちで新年の目標を立てるには絶好の機会です。私自身、今年も様々なメディアから正確な情報を得て、感性のアンテナを張りめぐらせながら色々と体験していこうと考えています。‟Nothing, ventured, nothing gained.(勇気を持って挑戦しなければ、何も得られない。)”の精神です!みなさんはもう、今年の目標を決めましたか。

高校3年生のみなさんは共通テストに向けて、この冬休み期間も休む間もなく勉強に励んできたと思います。直前の今が精神的にも一番しんどくて辛い時期ですが、みなさんの努力は必ず報われる時が来ます。今まで自分が行った学習は決して裏切りません。自分を信じて本番の試験に臨んでください。キーワード「平常心」を忘れずに頑張りましょう。みんなで応援しています!

さて今日は、私が先月19日から23日まで本校で実施したEmpowerment Programでの体験を交えてお話したいと思います。知っている生徒のみなさんも多いと思いますが、このエンパワーメントプログラムというのは、カリフォルニア大学デイヴィス校の藤田斉之(ふじた まさゆき)先生が監修された、英語で発信することが苦手な日本人のために開発されたプログラムです。5日間連続で朝9時から3時まで、生徒6人に1人の割合で外国人留学生がグループ・リーダーとして付き、ネイティブ・ファシリテーターの指導の元、自分の目標やSDGsなど様々な課題解決を英語で行い発信するという内容です。

今年度は昨年よりも多く参加者が集まり、8名の外国人留学生とファシリテーターが来校してくれました。初日はみんなうつむき加減で自信なさそうに、ファシリテーターが話す英語やグループリーダーの自己紹介を聞いていた生徒も、3日目くらいになると、質問に対してすぐに手を挙げて発言したり、ポスターを描いたりスライドを作って、ジェスチャーを交えながら堂々とグループでプレゼンするようになり、最終日には書いたものを読むのではなく、何も見ずに自分の言葉で話しながら、一人ひとりが将来の自分の夢を語ることが出来ました。もちろん、ALL Englishです。(その様子は本校のHPやインスタでも見ることが出来ます。)

私は本当にたった5日間で、参加した生徒の積極性がこれほど変わるんだと感心しましたし、このプログラムを通して自分がどう変化したかを話す彼ら彼女らの姿は感動的でした。まだコロナ禍でなかなか海外研修がままならない状況ですが、このプログラムは国内にいながら少ない費用負担で、高い自己啓発と英語の話す力を養えるとても良い機会になったと思います。次年度も継続していきますのでぜひ参加してください。

そんなエンパワーメントプログラムですが、本校では3年前から計画し昨年度にスタートました。実は私は大阪校が導入した7年以上も前からこのプログラムに関わっています。そんな私が楽しみにしていることは、生徒の成長ぶりの他にもう一つあります。それは様々な国から来てくれる外国人留学生との交流です。特に彼ら彼女らが行うモデルスピーチは毎回とても素晴らしく、日本に来た目的やその生き様などを聞いて、私自身いつも感動しています。以前はこのプログラムのために直接アメリカからUC(カリフォルニア大学)の学生を招くこともありましたが、今はコロナの関係で今、日本の大学や大学院に留学している学生に来て貰っています。

彼ら、彼女らは、国から援助をもらい来日し、日本で学んだ高度な研究内容を国に帰ってフィードバックし、国益に繋げるという大きな役割を担っている者も多く、非常に優秀かつ積極性のある人ばかりです。今回も京都大学や岡山大学、広島大学等から来校してくれた留学生は、フィリピンやアフガニスタン、ウズベキスタン、イランといったアジアから中東にかけての国々やアフリカのガーナやカリブ海にあるトリニダード・トバコ、そして彼らをまとめるファシリテーターはイングランド出身という具合に、世界中様々な地域から来ています。

文化も違えば気候や風習も異なる(そして話す英語も少し個性のある)留学生がそれぞれ国を代表して本校の生徒たちに語りかけてくれました。参加した生徒は、どこか1つの国に留学するのとは違った多角的なものの見方も学べたのではないかと思います。そんな留学生の中の1人が休憩時間に私に話しかけてきました。私が本校の校長だと知って、来てくれたようです。

その内容は、彼女がその時に参加しているグループの中の女子生徒が本校の校則について話をしてくれたというものでした。その生徒は本校の校則が少し厳しすぎると思っているようで、校長先生がもう少し頭髪や制服について自由にしてくれたらいいな、と留学生にお話ししたそうです。彼女はそのことを私に伝えに来てくれたのです。私はまずその生徒がしっかりと自分の意見を外国人留学生に伝えてくれたことに感動しました。そしてそれを私にわざわざ言いに来てくれたその留学生にも感謝しました。

そのあとその留学生とは英語で色々な話ができました。例えば、自分の国でも校則がめちゃ厳しくて大変だったし、意見をなかなか先生に言えない厳格な雰囲気があったとか、毎週(場合によっては毎日!)炎天下に生徒集会があって長い話を聞くのがしんどかった、などなど。私はいつも校長室をオープンにして意見を聞いているよ、というと彼女は「ムリムリ、そんなの言いに行けない!」と笑っていました。それを聞いて私はちょっと残念な気持ちになりましたが、彼女と話をしたことはとても楽しかったし、また彼女の国の文化にも触れることが出来ました。今回も私にとって貴重な体験となったエンパワーメントプログラムでした。

このエピソードで私がみなさんに伝えたいのは、まず好奇心を持って何事にもチャレンジしてほしいということです。例えば留学生の彼女はまずDo you speak English?と尋ねてきました。私はYes, I do.と答えたので会話が続きましたが、もしみなさんが「少しぐらい分かるかな、でも恥ずかしいなぁ、間違ったらいやだ」などと思いNoと言っていたらどうでしょう?せっかく生徒の意見を伝えようとしてくれたのに、また自国の文化や日本との違いなどを話せたはずの時間は、なかったかもしれません。

エンパワーメントプログラムに参加をした人なら分かると思いますが、Yesと言うのにはとても勇気がいることです。でもこの一歩踏み出す勇気を持つことが大切です。みなさんもぜひ勇気を持って何事に対してもチャレンジしてください。きっと自分とはまた違った考え方や価値観に出会えます。その経験はとても楽しいことですし、また自分の世界をさらに広げてくれます。みなさんもぜひ、Nothing ventured, nothing gained.でいきましょう!

さあ、3学期は、高校3年生だけではなく、中学1年生から高校2年生のみなさんにとっても、年度のまとめ、集大成の学期になります。また1月は生徒のみなさんにとってもスタートの月ですが、本校としてもみなさんの後輩を迎えるための入学試験があります。この入試の際の自宅学習日をぜひ有効に活用しましょう。コロナに負けないように、普段からしっかりと予防をし、後悔の残らない生活を行いながら次へのステップ(学年)へ繋げてください。

Aim for a Higher Level2!               

投稿者 : devadmin

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