2020.12.18

令和2年度2学期終業式 学校長あいさつ

今日で令和２年度2学期を終業します。振り返ってみると今年は新型コロナウイルスの影響で、世界中が本当に大混乱の1年でした。しかし、ちょうど1年前の令和元年2学期の終業式で私がみなさんにお話しした原稿を見てみると、まだコロナ（COVID-19）については全く出てきません。代わりに「インフルエンザに注意しましょう」とか、2学期に実施した様々な行事について書いています。例えば、体育祭での応援合戦のことや芸術鑑賞の演劇での感動、中学生の東京への修学旅行や大阪の近畿大学への見学ツアーなどについてです。

今年はどうだったでしょうか。残念ながら現高3生の修学旅行は中止になり、近校祭（体育祭・文化祭）も実施出来ませんでした。ようやく秋口から少しずつ本校でも球技大会や芸術鑑賞などが行なえるようになったものの、また今月になってPCR検査での陽性反応者の数が拡大しているために日本各地で自粛が促されています。特に高3生のみなさんには、この1年間の大切な思い出作りが十分出来ずに、本当に申し訳ないという思いでいっぱいです。

しかしみなさんには、近大東広島でのこれまでの2年または5年間の思い出があり、また一緒に苦楽を共に頑張ってきたクラスの仲間、先生方そして後輩たちがいます。これから立ち向かう大学入試の共通テストなどにも、決して焦らず平常心をもって取り組んでください。みなさんは一人ではありません。高3生みんなが一緒に頑張っているのです。先生方や後輩たちも応援しています。今までの自分を信じて頑張りましょう。

さてそんな激動の1年だった中、今日は、私がみなさんに日本人として誇りを持ってほしいと思ったことについてお話します。まず、今年の「新語・流行語大賞」になった言葉を知っていますか？ そう、「三密」ですね。クラスター（集団感染）のリスクが高い「密閉空間、密集場所、密接場面」を避ける、ということです。

これを英語で言うと“Avoid Closed spaces, Crowded places and Close-contact settings!”となり、それぞれの頭文字をとって“Three Cs”と呼んでいます。三密ではなく３つのCですね。そしてイギリスでは、これにDuration（密の時間の長さ）とVolume（話す声の大きさ）を加え“3Cs＋DV”として注意喚起をしています。

でも実は今年になって新型コロナウイルスが流行りだしたころ、まず私たち日本人が「三つの密を避けて外出しましょう！」と呼びかけて実践した「三密」対策が、実際に感染症予防に非常に有効だとのことで英語の“3Cs”に置き換えられ、世界中に広がっていったのです。これは実際にWHO（世界保健機関）でも取り上げられました。私たち日本人の優れた規範意識が、世界中の感染予防に役立っているということは、とても重要な意味を持つと思いませんか。

このように日本が発祥の言葉は他にもたくさんあります。例えば今年日本中の話題をさらった「鬼滅の刃」は日本が世界に誇る文化である「マンガ」のアニメ化ですが、英語で言うとanimationですね。しかし今や世界でもAnimeと言う方が一般的になっています。（私もアニメ版「鬼滅の刃」はシーズン1：全26話をオンデマンド配信で楽しみました。映画版「無限列車編」はまだ見ていませんが。私がみなさんと同じ年の頃は「宇宙戦艦ヤマト」にハマってました。）

そんなマンガやアニメ、ゲームの「おたく」という言葉も世界中で知られています。でもこの「おたく」という日本語をみなさんはどう使いますか？「あいつアニメのおたくらしいで。」という言葉に、あまりいい響きは感じられませんよね。でもHe is an Anime otaku. と英語で言うと、彼は「アニメのことは何でも知っている博士」なんだ、という意味になったりするのです。決して悪い意味で使われるわけではありません。他にもたくさんの例があると思うので、興味が湧いた人は調べてみましょう。

以前からお話ししているように、私たちにはみんなそれぞれ色々な個性があり、それはとても素晴らしい個々の才能です。アニメでもスポーツでも、それを自分の「将来の夢」と結び付けて頑張れば、きっと楽しく有意義な未来が待っていると思います。何だか面倒だな、と思う冬休みの宿題も、本当に辛い大学への受験勉強も、自分の大好きなことを実現するための苦労だと考えれば、ちょっとやる気が出てきませんか？

さあ、2021年（令和3年）という新年を迎えるにあたり、みなさんは自分の夢の実現に向けて、この冬休み中にどんなことをしていけば良いのかをじっくりと考えながら、充実した冬休みにしましょう。来年がみなさんにとって素晴らしい1年になりますように。

Have a great winter holiday and “Aim for a Higher Level”!