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校長室

2021.01.07

令和2年度 3学期 始業式 校長あいさつ

みなさん、明けまして、おめでとうございます。
今日から令和2年度3学期を始業します。そして令和3年を迎えるにあたり、新年のご挨拶をいたします。約2週間の冬休みが終わり、新学期が始まりました。みなさんの年末、年始の生活はいかがでしたか。昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて本当に大変な1年でしたが、今年もまだしばらくはwithコロナの生活を続けていく必要がありそうです。

しかしこういう節目の時は、新年の目標を立てて前向きな気持ちに自分を奮い立たせる絶好の機会です。私自身は、引き続きメディアから正確な情報を選び出せる力を養いながら世界情勢にも目を配りつつ、日本文化の良さを改めて実感できるような書物を読んだり、メディアを通じて様々な体験していこうと考えています。みなさんはもう今年の目標を決めていますか。

また今年の干支は「丑」です。私は今年60歳の節目(「還暦」といいます)を迎えるので、年男でもあります。ですから何事においても、たとえ「牛歩」であっても、着実に目標に向かって突き進めるようI’m going to take the bull by the horns.(勇敢に困難に立ち向かう)という気持ちで頑張りたいと思います。

高校3年生のみなさんは、目前に迫る大学入学共通テスト等に向けての入試対策で休む間もなく勉強に励んでいると思います。精神的にも一番しんどくて辛い時期ですが、みなさんの今の努力は必ず報われる時が来ます。今まで自分が行った学習は決して裏切りません。自分を信じて本番の試験に臨んでください。キーワードは「平常心」です。

さて今日は、私がこの冬休みに感動したお話をしたいと思います。今年はコロナの影響もあり、お正月はお家でゆっくり過ごしたという人も多いと思います。私も自宅で家族と地上波のTVを見たり読書をしたり、また以前録画したり買っていたDVDやblu-rayの音楽や映画を聴いたり見たりしていました。

そんな中、3日の午前にTVで「第97回東京箱根間往復大学駅伝競走」の復路が実況中継されていました。そう「箱根駅伝」です。「あぁ、お正月だなぁ」と思いながら見ていました。昨年は青山学院大学の強さが光っていましたが、今年の往路ではなんと12位。逆に大躍進を遂げたのが創価大学です。往路で優勝し、復路でも2位との距離をさらに広げて最終10区のアンカーへ襷を渡します。2位とは3分以上の差があり、誰もが創価大学の優勝を疑いませんでした。

しかし結果は、2位だった駒澤大学が、ゴールまであと2キロというところで逆転。そしてそのまま総合優勝というドラマチックな展開になりました。私のようにオンタイムで見ていた人は、この「まさかの逆転劇」に驚きと感動を味わえたはずです。

大会後、駒澤大の大八木監督へのインタビューでの「諦めなければ、何が起こるか分からない」という言葉は、すべてのアスリートや頑張っている受験生のみなさんへの素晴らしいエールとなるでしょう。私も創価大学の大活躍に、駒澤大学の逆転劇に、そしてすべての選手たちが頑張っている姿に、たくさんの元気と勇気をもらいました。

でも私の話はこれで終わりではありません。今回の箱根駅伝のドラマに興味が湧いたので、選手たちの走行タイムなどの数字を調べてみました。すると次のようなことが分ってきたのです。

まず最終10区で区間賞をとる素晴らしい走りを見せた駒澤大の石川選手は1時間9分12秒でした。これは区間最下位の選手と4分程の差があります。実際に創価大が9区からの襷を受け取った時の2位との差は3分あまり。この貯金が最終10区で逆転されたわけですが、「3分」という時間はこれまでの駅伝のデータでは逆転がほぼ不可能だったわけです。

しかし客観的に見るとこの逆転劇は、データ上は可能だったのです。実際の可能性としては極めて低かったかもしれませんが、可能です。その低い可能性を現実のものにできたのは、普段の厳しい練習や選手自身の強い精神力など様々な要素が複雑に絡んだ結果かもしれません。それでも石川選手は、監督さんからの檄にも後を押されて「区間賞をとれるように頑張ろう」という思いで走り、実際に逆転できました。本当に凄い!

そして今回の箱根駅伝で私が注目したもう1つのデータがあります。それは復路の優勝は青山学院大学だったのですが、2位の駒澤大学とたった2秒の差だったことです。あと2秒で駒澤大は復路優勝もできていたと考えると、たかが2秒、されど2秒ですね。逆にこちらは石川選手、ちょっと残念!

みなさんはこの話を聞いてどう思いましたか。私は1年半ほど前に上映された「アルキメデスの大戦」(原作は三田紀房の漫画)という映画の中で、主人公の天才数学者である櫂 直(かい ただし)が劇中で発言する「数字は嘘をつかない」というセリフを思い出しました。(この物語は第2次大戦時のフィクションですが、とてもよく練られていて面白い内容です。)物事を冷静にデータや数字といった側面から見てみると、またいつもとは違った発見が出来るかもしれません。ぜひみなさんも試してみてください。

さあ、3学期は、高校3年生だけが大変なのではなく、中学1年生から高校2年生のみなさんにとっても、年度のまとめ、集大成の学期になります。新型コロナウイルスに負けないように、普段の生活からしっかりと感染の予防対策をし、後悔の残らないように計画的に生活を行って、次の学年へのステップとしていきましょう。

Aim for a Higher Level!

投稿者 : devadmin

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