2024.11.01
令和6年度 11月朝礼 学校長講話 “History Tells Us”
みなさん,おはようございます。11月になり朝晩が少し冷え込むようになりました。体調管理が難しい時期ですが、風邪など引かないようにしましょう。高校3年生は推薦試験など、いよいよ入試本番を迎えます。体調を万全にして「平常心」で臨んでください。
11月は13日(水)に芸術鑑賞があります。今年は「和の響き」と題して雅楽師の東儀秀樹さんをお招きします。1300年の時空を超えた悠久の響きを体験出来ます。東儀秀樹さんはトークも大変面白いとのことですので、本当に楽しみですね!
さて今月の朝礼では、我が近畿大学について考える時間にします。なぜ毎年11月に振り返りをするか、みなさん、分かっていますよね。近畿大学の創立記念日が11月5日だからです。今年は創立99年目になります。1925年(大正14年)に母体となる大阪専門学校が創設され、その後、大阪理工科大学と共に名称を近畿大学としてスタートしました。来年は創立100周年を迎えます。
今日はそんな近畿大学の創設者、世耕弘一先生についてお話しします。毎年11月の全校朝礼でお話しているので在校生のみなさんは覚えていると思いますが、ここでもう一度世耕弘一先生の波乱万丈の人生を、駆け足で振り返ってみましょう。
- 経済的理由で旧制中学(現在の高校)への進学を断念
⇒学びたくても学べなかった15歳 - 材木商へ丁稚奉公(10年間)
⇒難しい取引を次々に解決して職場での評価を上げる - 25歳で上京し、仕事をして学費を稼ぎ、大学へ進学
- 朝日新聞社へ就職(30歳)
- 奨学金を貰いドイツへ留学
⇒ドイツが第1次大戦後の不況から立ち直る様子を学ぶ - 帰国後、大学教授を経て政治家へ
⇒39歳で衆議院議員に初当選(この後8回当選) - 衆議院議員として、第2次大戦後の貧しい日本の経済を救う
- 内務政務次官から国務大臣へ
⇒隠退蔵物資の摘発・貧しい国民へ配布
⇒近畿大学の創設「理想の大学作りに心血を注ぐ」
【世耕弘一先生の熱い想い】
・学問が運命を開いてくれた →学びたい者に学ばせたい
・すべての日本人が大学教育を受けられる、時代の先駆けとなる大学を目指す
・GHQによる入学制限を撤廃し、平等に大学への合格者を出す
・シンボルは厳しい自然に耐えて咲く「梅の花」!
それでは世耕弘一先生が熱い想いで創設された近畿大学の「建学の精神」は何でしょう?
「実学教育」と「人格の陶冶」ですね。
そこから「人に 愛される人、信頼される人、尊敬される人 の育成」を教育の目的とし、みなさんの教室にも掲げている校訓が生まれました。世耕弘一先生は、ご存命中にこの校訓を実践するためのヒントをお話しされています。それは「挨拶をきちんとし、身だしなみに気を付け、約束の時間をたがえず、規律・ルールは必ず守る」ということが大切だということです。
昨年は世耕弘一先生がドイツに留学をなさってからちょうど100年目の年でした。当時のドイツは第一次世界大戦後、極めて厳しいインフレに苦しんでいる状況で、それを実際に経験なさっています。そして帰国後に政治家となり、同じく第二次世界大戦後の飢えと貧困に苦しむ日本の経済を立て直すことが出来たのです。これは弘一先生がドイツに留学したご経験があったからこその偉業だと言えるでしょう。
みなさんも、今日のお話から、歴史・文化を振り返り、そこから様々なことを学んでいくことがいかに大切か、考えてみてください。先月、修学旅行に行った高2や中2のみなさんも、日本の文化を知り、海外との比較をすることで、いかに自分の視野を広げてくれるか、よく分かったと思います。みなさんもぜひとも中学、高校の間に歴史や文化など様々な学びを通して、将来の夢や自分のアイデンティティを確立していってください。
今日は11月5日の創立記念日にちなみ、世耕弘一先生のお話しと、歴史が私たちに教えてくれること、そしてそれを学ぶことの大切さについてお話ししました。そんな世耕弘一先生が作詞され、熱い想いが込められた近畿大学の校歌を、今日は3番まで一緒に歌いたいと思います。附属生としての自信と誇りを持って歌いましょう。特に3番には「情けに厚く、正義感に溢れ、ことにあたって闘魂を燃やす」という近大魂が込められています。ぜひこれからも近畿大学の附属生として自覚を持ち、学業や課外活動に励みましょう!
Aim for a Higher Level!!!