2026.01.31
令和7年度1月 全校朝礼 学校長講話 “リアル体験=Experience”
寒い日が続いていますが、みなさん、元気ですか。1月31日は毎年、高校3年生が在校生のみなさんと一緒に登校する最後の日になります。共通テストは終わりましたが、2月以降も高3生は国公立大学の二次試験対策や近畿大学の入学前講座などで登校します。でも中学生も含めて全体で一緒に集まる機会はもうありません。少し寂しくはなりますが、高3生はこれからも3月まで厳しい入試が続きます。
そんな受験生のみなさんへのアドバイスは、私がいつも言っている「平常心!」です。まず普段の実力が発揮できるように、また少しくらいミスっても大丈夫と思えるようなリラックスした気持ちを大切にして、受験本番に臨んでください。在校生、教職員みんなで応援していますよ!またすでに進路が決定している人も、進学先に提出する課題や事前学習、TOEICなどの資格試験などもあり、まだまだ大変です。引き続き、気を抜かないように頑張っていきましょう。
さて今日はまず、来月2月6日と3月6日から開催されるミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック・パラリンピックの話題です。世界中から集まったアスリート達が躍動するオリンピック・パラリンピック、とても楽しみですが、冬の大会はまた夏とは違った魅力がありますね。それは普段私たちが行っているスポーツとは少し違った、独特な種目が多いからかもしれません。みなさんはどんな競技に興味がありますか?
私がみなさんと同じくらいの時、10代~20代の頃は冬のスポーツといえばスキーやアイススケートが定番でした。私もスキーは大好きなので、長期の休みの時には信州や北海道へ遠出して、ゲレンデを滑る爽快感と大自然を満喫していました。しかし最近はコロナ禍の影響もありスキーも以前ほど人気ではなくなってしまったようです。一時はスノーボードも流行っていましたが、みなさんの中にスキーやスノボの経験者はどれくらいいるのかな、と思います。
スケートリンクも広島には、それ程たくさんあるわけではないので、気軽に滑りにも行けません。また華麗な演技が素晴らしいフィギュア・スケートや、迫力ある選手たちの激しいぶつかり合いが凄いアイスホッケーを観たくても、野球やサッカーの試合のように近くで何度も開催されているわけではないので、観に行きたくてもハードルが高いですよね。ましてやスキーのジャンプ競技などは、残念ながら施設自体が近くにありません。
以前は高校の北海道への修学旅行で、札幌近郊の大倉山スキージャンプ競技場を見学していたのですが、行った人たちはみんな「えー!こんな急なスロープを滑ってジャンプするの?」と驚いていました。下から見上げるだけでもひっくり返りそうな凄い角度ですが、実際にリフトに乗ってジャンプ台の上まで登りスタート地点に立つと、あまりにもの高さと急こう配に足がすくみます。滑るというより「落ちていく」感じ?
そんな自分が実際に体験したことのない競技なので、TVやネットで冬季五輪を観ると夏の大会にもまして「凄いなぁ!」と感じるのかもしれません。でもだからこそ、実際に見ると、もっと凄いのではないかと思いますよね。一例を挙げると、私の母はフィギュア・スケートの大会をリンク会場で観戦したことがあるのですが、TVで見るよりもずっと華やかで衣装も本当に綺麗で、場内に鳴り響く音楽に合わせて選手がジャンプし着氷する時に氷を削る『ガリッ、シャー!』という音も凄い迫力だったそうです。
このような実体験の素晴らしさについては、みなさんも音楽などでは経験があると思います。スマホの小さいスピーカーやイヤホンからでは分からなかった音を、実際に生で聴いてみると凄く感動したという人もいるでしょう。私も先月、本校の吹奏楽部がアンサンブルのミニコンサートを合同教室で演奏してくれた時に、管楽器や打楽器の生音に触れることが出来ました。一生懸命に演奏していた部員のみなさんの姿勢にも感動しましたが、やはりライブ演奏のリアル感に勝るものはないなぁ、と思いました。
実際にスポーツ観戦でスタジアムに行ったり、コンサートやライヴ会場に足を運んで、スタンドから選手たちの活躍を目前で見たり、生の演奏やパフォーマンスを見聞きしながらその場の空気感というか雰囲気を共有できるのは、バーチャルの体験とは違った特別な感動体験ですね。本校で3月に行うGSP(グローバル・スタディーズ・プログラム)も、参加するみなさんにとっては、そうした貴重な体験となるでしょう。
そんなリアル体験といえば、昨年10月に高校2年生のみなさんと一緒に修学旅行で行った北海道・函館の夜景です。私にとって初めて見る函館山からの夜景は、本当に素晴らしいものでした。でもあの日は風も強く、めちゃくちゃ寒かった!ものすごく美しい函館の夜景に感動しながらも、同時に強烈な寒さの記憶が私の中ではセットになっています。このようにリアルな体験には様々な付帯の要素もあり、また自分独自の思い出になっていくのです。
そしてこのように実際に体験することによって私たちの感性は豊かになり、その後の生活に於いても自分を成長させてくれ、さらに高いレベルへと引き上げてくれます。私がいつもみなさんに言っている “Aim for a Higher Level!” にもそうした願いが込められています。「より高いレベルを目指そう!」と漠然と言われても、じゃあ具体的にどうしたらいいの?と思っている人がいたら、ぜひ今日の話を基に考えてください。カギは「リアル体験」ですよ!
今日はもうひとつ、みなさんにお話ししたいことがあります。少し前のことにはなるのですが、昨年の10月に鳥取県で行われた陸上競技大会での出来事です。その大会を見学していた小学3年生の男の子が転んでケガをした時のこと。ちょうど試合に参加をしていた本校の高校陸上部の生徒たちが、動けなくなっているその子に声をかけて介抱し、お母さんのところまで付き添ってあげたという話です。
その後、そのお母様からお礼お手紙をいただきました。少し紹介します。本校の陸上競技部宛てです。
… 鳥取市布施運動場で行われた陸上大会の際、怪我をして動けない息子を助けていただきました。 その際に、陸上部の三名の選手の方たちがサポートしてくださり、感謝の気持ちをお伝えしたく、ご連絡させていただきました。 動けず座っていた息子に優しく声をかけてくださり、お忙しい中駐車場まで付き添っていただいたおかげで、無事すぐ病院で治療してもらうことができました。 ~選手の方たちの丁寧なサポート、本当に感謝しております。 ~この度は、本当にありがとうございました。 寒さが増してきましたので、ご自愛ください。 陸上部の皆様のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。
この優しい行いをしてくれたのは、高校2年1組の平松宥人くん、5組の渡邉穂乃花さん、そして1年2組の井上逞くんの3名です。
手紙の下半分には、その小学3年生のお子さんのお礼のことばも直筆(えんぴつ?)で書かれていました。
お兄さん、お姉さんへ ほんとうに、ありがとうございました。 たすけてもらったおかげで、けがは悪化しませんでした。~ これからもいろんなことを、がんばってください。~ ぼくもがんばります。
本校の生徒が、このような優しい行動で感謝されて、私もみなさんのことを誇りに思います。ここでも勇気をもってこの小学生に声をかけたという行いとその後の一連の行動が、確実にみなさんの人としての成長に、そしてより高いレベルへ繋がっていると思うのです。
今日はみなさんに、冬季五輪の話題から経験してみることの重要性、「リアル体験」の大切さについてのお話と、陸上部へのお礼のお手紙の紹介をしました。今日で在校生と一旦お別れをする高3生のみなさんも、卒業して大学生や社会人になってからも、本校でのリアル体験の数々を思い出し、近大東広島の卒業生だという誇りをもって過ごしてほしいと思います。
さあ、明日から2月。一年で一番短い月です。節分(3日)や立春(4日)も近いですが、まだまだ寒い日も続きます。在校生のみなさんは学年末試験も控えているので、普段から病気やケガにも十分注意をしながら体調管理に努めてください。教室の換気や手洗いをしっかりと行って、年度の締めくくりに向けて取り組んでほしいと思います! 高3生のみなさんとは、1か月後の卒業式でお会いしましょう!