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校長室

2026.04.07

令和8年度1学期 始業式 学校長講話 “温故知新:To Learn from History”

今日から令和8年度を始業します。先週4月3日には新入生を迎えて入学式を挙行しました。満開の桜が咲く晴天の下、中学生130名(4クラス)、高校生263名(6クラス)を迎えて、ご来賓の近畿大学工学部長の樹野先生や山口PTA会長、PTA役員の方々、そして保護者のみなさんにも沢山お越しいただき執り行いました。今年度は、中学391名、高校700名、合計1,091名で新学期をスタートします。また今年は本校の創設30周年にあたるMemorial Yearです。卒業生OB、OGの方々を招いてOpen DayやHome Coming Day などを計画したいと思っています。

今年度も私はこうした式典や全校朝礼で、みなさんと一緒に多様な考え方や、文化・スポーツ、変革の激しい世界情勢など様々な問題について考察していきたいと思います。今日は年度始めとして、「温故知新」という考えについてお話ししたいと思います。温故知新を英語で言うと “Trying to discover new things by studying the past” となりますかね。もっと簡単に “To learn from history” と言ってもいいと思います。「古きをたずねて新しきを知る」ということですね。

なぜ「温故知新」というテーマを考えたかというと、理由があります。先月末の春休みの間に、私が大学時代の友人に誘われて行った、京都にあるレトロな喫茶店で体験したことをお話しします。金閣寺の近くの閑静な住宅街の中にあるその小さな喫茶店、今で言うところのCaféですが、サイフォンで点てた美味しい珈琲と一緒に、アナログのレコードを聴くことが出来るのです。所謂、音楽喫茶というお店です。

オーディオ(スピーカ-やアンプ、カートリッジなど)も凄いシステムだったのですが、それを話すと長くなるので、今回は音楽に的を絞ります。みなさん、レコードって聴いたことがありますか?30センチの黒い円盤のようなものから音が出てくる、何とも不思議な物体です。私がみなさんと同じ年齢の頃には、音楽と言えばこのレコードかカセットテープかラジオで聴くのが普通でした。ネットのサブスクなんて在りませんからww。ここで、実際にレコードの音を聴いてみましょう!(John Williams作曲 “STAR WARS Main Title” Z. Mehta & Los Angeles Philharmonic:1977年録音他)

アナログの音は、どうでしたか?話を戻すと、そのお店のマスターとお話ししながら、何枚か聴かせてもらったのですが、そのお店の棚には、もの凄い貴重なレコードが沢山ありました。中でもSP盤という1950年頃までに作られた高回転(78/m)のモノラル盤を、初めて聴かせてもらったのです。それまでの私の概念は「古い=音が悪い」だったのですが、ザラザラという少し針がレコード盤の溝をなぞる音と共に聴こえてくる音楽の迫力に圧倒されました。昭和9年(1934年)に録音されたレコードの響きは、私が生まれる何十年も前に録音されているのに、なんて生々しい演奏なんだろう、と思いました。

それまでの私の中にあった固定観念が覆された、まさに「目から鱗」を体験したのです。そしてさらに私が驚いたのは、第2次世界大戦中、アメリカ軍が兵隊さんを慰労するために、飛行機から物資と一緒に投下した中にあったという超貴重盤も聴かせてもらいました。スマホなどない時代に、蓄音機というラッパのようなスピーカーのついたプレーヤーで聴いたこの音楽が、当時の戦争で荒んだ青年たちの心を癒したのだと思うと、感無量になりました。

私は80年以上も経った今、そんな体験が出来るとは思ってもみなかったので、2時間ほど聴かせてもらった後、お店を出てからも、そして今でも思い出すと心が動かされます。でも戦争は今も世界各地で起こっており、第2次大戦の時と同じように青年たちが戦地で辛い日々を送っていると考えると、今日のテーマである「温故知新」をみなさんに考えてもらわずにはいられなかったのです。

アナログのレコードという媒体を通して人の心を癒すことができた、そんな素晴らしい技術が、今どのように私たちの生活の中に活かされているでしょうか。私自身が明確にその答えを持っているわけではありませんが、こういった経験は、古い技術、媒体を経験して初めて分かることも多いと思います。実際に体験することの大切さと、先入観を捨てて何事にも挑戦する気持ちが大事なのではないでしょうか。そしてそこから学んでいこうという気持ちが大切だと思っています。

また先日(4月2日)に私が隣の近畿大学工学部の入学式に来賓として招かれたときに、ゲストとしてレスリング女子でオリンピック三連覇を果たした吉田沙保里さんが登壇されました。彼女からの力強い「人生なんて失敗だらけ。でも何事もプラスに考えて!」というメッセージから、『失敗を恐れずにこれから待ち受ける様々な事柄にチャレンジしてほしい』というエールを私自身がもらえたので、年度初めに当ってみなさんにもおすそ分けしたいと思います。

今月末には近校祭(体育祭)も予定されています。様々な体験や人間関係を通して、横の繋がりだけでなく、学年を超えた先輩・後輩の繋がりも大切にした、一体感のある行事にしていきましょう。生徒のみなさんが楽しんでもらえるように、昨年度から生徒会執行部が色々とアイディアを出してくれています。短い準備期間にはなりますが、充実した楽しい思い出作りをしていきましょう!

今年度も、校長室Openの日を月曜と木曜日にしましたので、私とお話がしたい人は、お昼休みの時間に校長室に来てください。

生徒のみなさん、これから新年度が始まります。何事に対しても知的好奇心を持ち、多様な考え方に耳を傾けてください。みなさん一人ひとりが持つ輝く個性を、もっと高めてほしいという願いを込め、今年度もこの言葉でいきましょう。

           

投稿者 : devadmin

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